陽の章 五禽戯


6 気功の「三位一体」とは

 この「調身」をしっかり行うためには、呼吸を調整することや心(意念)の用い方も不可欠です。心が調整されなければ、じっと正しく立ったり、正しく座ったりすることはできないのです。

 正しく呼吸するためには呼吸筋のトレーニングが不可欠です。それは手足を動かす特定の動作を行って呼吸を訓練したほうが効果的です。

 また、空気の呼吸だけでなく「気」の呼吸を理解する必要があります。そのためには、「意念」を働かせることを学ぶ必要があります。つまり、正しい呼吸を訓練するために、「調身」と「調息」の要素も必要になります。

 心を調整するために、「調身」と「調息」の要素が不可欠です。正しい姿勢になり、正しく呼吸できなければ「調心」はありえないのです。

 つまり、この三つの要素は、「気功」の「正面図」「立面図」「側面図」のようなものでしょう。個別に存在することはないのです。

 「調身」の要素を満たすためには「調息」と「調心」が必要になり、「調息」の要素は「調身」と「調心」が、「調心」を得るためには「調身」と「調息」が必要なのです。

 つまりこれら三つの要素は「三位一体」なのです。

 この三つのどの要素から初めてもいいのですが、やはり何かの「エクササイズ」を学ぶ必要がありますね。

 さてこれから、とてもシンプルな「気功法」を紹介しましょう。説明する実践法を今日から実践してみてください。この実践が「気功」の入門です。それに、次章から紹介していく五禽戯のエクササイズを追加していけば、次第に「気功」の深遠な要素を理解することができるでしょう。どのエクササイズにも、三つの要素がありますから、最初はシンプルに形を覚え、次に[呼吸法」を加え、それから「意念」の用い方を理解していけばいいでしょう。

 まずは、ごくシンプルに気功の世界を体験していきましょう。

 


 
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